秋田駒ヶ岳~その2~ 秋田駒南部カルデラの魅力

『秋田駒火山の神髄は女岳にあり』

秋田駒北部カルデラと南部カルデラ

かの宮沢賢治も言ってました。というのはウソですが、皆最高峰の男女岳1638mだけ登って帰るのは、秋田駒火山にホントに行ったことにはならないでしょう。52年前にストロンボリ式噴火を起こした女岳1513m周辺は、噴煙(水蒸気)が上がり足下に地熱を感じるなど今でも火山の醍醐味に溢れており、秋田駒ヶ岳の神髄は女岳にこそにあると言っていいでしょう(2022年現在、水蒸気の噴煙はほとんど収まっています)。
 
ただしこの女岳、登ってほしくないのか現地の看板の案内表示は皆無、岩に書かれたペンキ表示と踏み跡を頼りに登るしかありません。地形図にも登山道が載っていませんし。
女岳へのアクセスは秋田側八合目からでもいいですが、是非国見温泉から壮大な南部カルデラを眺められる横長根を通り、過去の小岳の噴火の際に堆積したと思われる今でもほとんど植物が生えていないスコリア地帯から俗称ムーミン谷を通ってアクセスするべきです。
日本で最も深いカルデラ湖の田沢湖を背景に見るかつてのストロンボリ式噴火の火口や、苔に覆われた古い噴出物が、いつか旅行に行きたいと夢見る中央海嶺上のアイスランド内陸部の風景にそっくりです。
 
またその1で紹介した通り、南カルデラ右回りコース金十郎尾根を行くのもいいでしょう。金十郎尾根からは52年前のストロンボリ式噴火の溶岩の流れが、噴火したのがつい昨日のように、迫力十分に眺められます。
 
国見温泉は1932年の南部カルデラ内部の噴火から80年以上もずーっと高温を維持しています。この国見温泉の存在もまた、南カルデラの存在意義を高めています。ここ5年間のこれまでの山行をまとめました。
2017.10.08 北部カルデラでハロ
2017.10.14 南部カルデラで火山活動
2018.10.08 南部カルデラで火山活動休止確認
2021.08.07 北部カルデラで周氷河地形3種確認
2022.07.03 南部カルデラ金十郎尾根歩き

(その4まで秋田駒の魅力を休み休みお伝えします)