栃の実の処理(栃餅の作り方)

8年ほど前、栃餅を作る必要に迫られました。
そのときまとめた栃餅の作り方を紹介します。

①天日乾燥したものを2週間放置していました。それを水洗いしたところです。(2014/10/13)

 

②発泡スチロールの箱に入れ、そこに熱湯を注ぎ丸1日、放置します。(2014/10/13)

 

③熱湯注いで1日経ったトチノミ。灰汁成分が泥水のように沈殿している。コレを流すと流し台が泡だらけに(写真なし)(2014/10/14)

 

④ ズボラ流の新兵器、栗くり坊主を使って片っ端から鬼皮を渋皮ごと剥いていきます。写真は残り80個(全部で220個くらいあった)(2014/10/15未明)

 

④a これが新兵器の栗くり坊主。右の皮むきナイフも買ったがコチラも普通のナイフよりは使いやすい。でも疲労度の点で断然栗くり坊主の勝利!

 

④b 栗くり坊主で剥いたトチノミ、少し渋皮残っているけどコレでOK。

 

④c 栗くり坊主は浅目に切り込みいれてリンゴの皮を剥くように地道にストロークを繰り返すのがコツ。右手は動きっぱなしだが疲れない。むしろ身を回転させながら保持する左手の方が疲れる。1個を処理する時間は30秒ほど。劇的に早く鬼皮が剥けるわけではないが、ナイフを使って剥くときの手の疲労に比べたら雲泥の差でストレスフリーである。根気さえあれば誰でも剥ける。胚の部分に渋皮が入り皮しているが胚ごと取れば問題ナシ。鬼皮の「鉄腕アトムの頭」部分と胚の位置が一致している。トチノミは側面から根が出るとの観察結果があるが、この胚の位置と関係しているのではないか?

 

⑤剥いたトチノミに再び熱湯を注ぎ、一晩寝かせる。(2014/10/15夜)

 

⑥一晩寝かせたトチノミをネットに入れ、きれいな水が流れる沢(赤林山大沢つどいの森内)に来た。(2014/10/16)

 

⑥a タイドプールを石で作りそこに沈める。このまま4、5日放置予定。家で何回も水を替えるやり方でもいいが、ナマクラ派は手間の少ない沢を選ぶ。ただし3年前にやったときは大分やせ細ってヨコエビが大量にくっついていたので何回か様子を見に行かなければならない。(2014/10/16昼)

 

⑥b トチノミ沢浸し3日目。身も細ってないし、ヨコエビもまったく着いていないので沢の流心に移動する。(2014/10/18)

 

⑥c トチノミ沢浸し6日目。3年前やった時は大分目方が減ったけど、今回はほとんど減ってない。何が違うかといえば3年前はあれほど大量に着いていたヨコヨビがまったく着いていない。去年の土石流で流されてまだ復活してないのかも知れない。でもかなり柔らかくなっている。(2014/10/21昼)

 

⑥d これが引き上げて洗った状態のトチノミ。沢浸し前の④cと比べると多少黒ずんでいる。(2014/10/21夜)

 

⑦いよいよ最も重要な行程、灰汁抜き作業にとりかかる。長火鉢の灰をトチノミと交互に重ねて行く。指南書ではこの前に1回トチノミを熱湯に浸けることになってたけど割愛。(2014/10/21夜)

 

⑦a トチノミを2層に重ね、トチノミの嵩のほぼ倍量の灰で埋め尽くす。(2014/10/21夜)

 

⑧熱湯を注いたところ。発泡スチロール全体を新聞紙でくるんで保温し、2昼夜放置する。うまくいけば2日後に処理の終わったトチノミが登場!(2014/10/21夜)

 

⑧a 2昼夜放置した灰汁浸けのトチノミ。引き上げてもまだ少し灰汁が残っていたので、もう一度別の灰をまぶし熱湯注いで一昼夜灰汁抜きすることにした。(2014/10/23)

 

⑧b もう一度一昼夜灰に浸けて最後の灰汁抜き、その後また一昼夜真水に浸けることにした。(2014/10/24)

 

⑧c 灰汁抜き完了後のトチノミ。指で簡単つぶれる。これを口に運ぶと苦味はほとんどなく味のないデンプンを食べている感じ。(2014/10/24)

 

⑨真水に一昼夜浸け、まったくエグ味もなく去勢されたトチノミをジプロックに入れてスタンバイ。下は下処理した燻す前のベーコン。冷蔵庫に入れて明日を待つ。(2014/10/25)

 

⑩餅つき機に一晩水に浸けたもち米とトチノミを交互に重ねて蒸す→突くところ。この後2升の栃餅が完成(←写真なし)。(2014/10/26)

 

⑩a 突き上がり。美しい!

 

⑩b あかばやし探検隊に参加した家族たちに配られた小分けにされた栃餅。めっさ美味かった!